2018.10.19

いよいよ,樹木学の講義が始まりました.この講義では約100種類の樹木標本を作り,ノートを作成しますが,最低限理解してもらいたい樹木があります.日本を代表する造林樹種であるスギ・ヒノキ・カラマツ,亜高山帯針葉樹のトウヒ・シラビソ,天然林の代表樹種であるブナ・ミズナラ,ブナ林の構成種であるホオノキ・ハリギリ・キハダ・イタヤカエデ・アオダモ,水辺林構成樹種のカツラ・トチノキ・サワグルミ・ハルニレ・ヤナギ類,里山二次林のコナラ・エゴノキ・ヤマザクラ(オオヤマザクラも)などです.これらの樹種は,写真を見て名前がわかるだけでなく,花・果実・利用など広範囲の情報を理解していてもらいたい樹種です.

2018.9.14

樹木学実習二日目は,演習林内でのサンプリングです.大佐渡山地ではブナを代表とする冷温帯落葉広葉樹が優占しています.高木ではブナ・ミズナラ・アカイタヤ・シナノキ,亜高木にはアオハダ・キハダ・ハクウンボク・エノキ,渓畔林ではサワグルミ ・トチノキ・カツラ・ヤマハンノキ・オノエヤナギ・ヤシャブシなどが分布しています.落葉低木ではオオバクロモジ・オオカメノキ・エゾアジサイ,常緑低木ではヒメアオキ・エゾユズリハ・ハイイヌツゲ・ハイイヌガヤ・ハクサンシャクナゲ・ヒメモチなどです.以上の冷温帯林の構成要素とは別に,スギの天然林が広く分布しています.天然スギというと,屋久島の屋久杉が有名ですが,佐渡島の天然スギも,近年注目を集めています.また,佐渡ではアテビと呼ばれるヒノキアスナロも広く分布しています.

これらの植物は採集しても標本にできますが,ヤマウルシやツタウルシは,かぶれるために標本として採取することはなく,現物をしっかり見てそこで覚えるようにしています.またタラノキなどのように,一枚の葉が巨大で標本にするのが困難な樹木も同様です.

2018.9.13

本日から佐渡島の演習林で樹木学実習です.15人の学生が参加しました.小佐渡の樹木を50種サンプリングして標本を作り,同定作業を行います.最初は,ケヤキ・タブノキ・アカマツなどの植栽木のサンプリングをしてから,森林に移動しました.小佐渡ではヒサカキ・マテバシイ・シロダモ・ソヨゴなど照葉樹林帯の常緑広葉樹が特徴です.また,林道沿いにサンプリングしましたので,アカメガシワ・タラノキ・モミジイチゴ・ノリウツギなどパイオニア樹種にまじって,マタタビ・サルナシ・フジ・サンカクヅル・ミツバアケビなど,つる植物も多く見られました.この時期は,クサギなどを除いて花はなく,果実がなっている樹木が多く見られます.また,ヤマモミジ・ハウチワカエデ・ウリハダカエデなどカエデ属も見られました.特に,ウリハダカエデは大量の翼果をつけており,葉のサイズが小さくなっているのが特徴でした.

2018.8.23

いよいよ今年度の樹木学実習が始まります.講義は10月からですが,それを受講するためには,9月に佐渡島の演習林で開催される実習に参加することが条件となります.100樹種以上の標本を作り,100樹種100ページの樹木学ノートを作成し,プレゼンを行って,定期試験を受けます.今年度からは,ターム制になったので,2ヶ月の間にこれだけの課題を終えなければなりません.さて,何人の学生がこの課題をやりきることができるか,興味津々です.

2018.7.26

アメリカモンタナ州の国際植生学会に参加して,様々な森林を訪れました.左上段から,Larix occidentalis, その葉,森林限界のAbies grandis,その葉,Pices enngelemannii, 2段目その球果,Tsuga heterophylla, Pseudotsuga menziesii var. glauca(ダグラスファー),その球果,Pinus monticola, 3段目,Pinus contrta(ロッジポールパイン),Thuja plicata(日本ではクロベ),その葉,Pinus ponderosa, その球果,4段目高山帯のヤナギ類,Alnus viridis,  Acer glabrum 

 

2018.4.30

秩父の大山沢の渓畔林でシオジの開花調査を行いました.1個体づつの開花量をランクづけて調べていきます.今年は雌雄ともに大量開花していました.例年ですと,5月10日過ぎが開花のピークですが,今年は10日間ほど早く開花しました.サクラの開花時期が早かったので,それに合わせてシオジの開花調査も早めに行いました.5月10日頃では多分開葉が始まっており,開花調査を行うには遅すぎたと思います.シオジの開花は開葉に先立って行われるので,開花量をはっきりと把握することができます.

2018.4.26

只見町伊南川で咲いていたヤナギの花です.左上から,伊南川のヤナギ林,オノエヤナギの雄花,シロヤナギの雄花,オノエヤナギの雌花,シロヤナギの雌花,ユビソヤナギの雌花です.ユビソヤナギの雌花は果実が大きくなっており,雄花はすでに落下していました.このほかにもネコヤナギ,オオバヤナギなども分布しています.

2017.8.26

樹木の名前は、どうやって覚えるか。まず、代表的な種の特徴をしっかり把握する。属レベルで特徴を捉える。例えば、コナラ属(Quercus)であれば、コナラを代表としてその特徴を把握する。葉の並び方は、互生で、雄花は紐のような尾状花序、果実は堅果(どんぐり)で、殻斗に包まれている。カエデ属(Acer)は、葉が対生につき、果実はプロペラのような翼果である。樹木の花や果実は、限られた短い期間にしか見られないので、葉で見わけることが必要になってくるが、葉だけで同定することはかなり難易度が高い。よほど興味がないとすぐに嫌になってしまう。花がない季節に見たら、図鑑で花や果実を確認してみよう。

2017.8.23

昨日と含めて、111種の樹木標本を作成しました。樹木の同定は、枝の標本だけでは難しいです。樹木の個体そのものの姿を見て、初めてその木だとわかることも多いです。葉を一枚見せられただけでは、同定はとても難しいものです。葉が枝にどのようについているか、低木か高木か蔓かなど多くの情報があってこそ樹木を見分けることができます。日頃からいろいろな樹木の姿を眺めていることで同定能力も上がってくると思います。

2017.8.22

本日から樹木学の講義が始まりました。最初の1日は、小佐渡の樹木を50種ほど採取し、標本の作成を行いました。明日は演習林の樹木採取で、合計約100種の標本を作ります。これから、毎日、新聞紙の交換です。手を抜くとすぐにカビが生えて、せっかくの標本が台無しになってしまうので、手が抜けません。でも、手を抜くコツもあります。考えてみてください。